ワインエキスパートに受かった話(2022年)

料理・お酒

 今までの記事で2回落ちた話をしてきましたが、昨年2022年にようやく合格することができました。2回落ちていよいよ、後がなくなり、一から勉強しなおすという気持ちで臨むことにしました。

2回落ちた時と変えたこと

テイスティングの本を購入

今までもテイスティングの本は購入していたのですが、どうしても本に載っている模範解答を覚えることに気を囚われてしまって、知識が身についている実感がかけた時間がありませんでした。そこで、理論的にそして写真等でわかりやすく学べるような1冊を探すべく、ネットや本屋をまわって探したところ、次の本に辿りつきました。

「ワイン テイスティング バイブル」谷 宣英 著

定価3000円+税です。この本で1からテイスティングについて学び直すことを決意しました。

 私がこの本を買ってよかった点が2つあります。ブドウ品種の特徴が細かく外観、香り、味わいを産地ごとに詳しく書いてあること、比較ティスティングの実例として、ブドウ品種の代表産地ごとにワインの写真付きの解説がある2点です。この1冊で、テイスティングで今まで曖昧だった知識が、かなり整理されました。フランスのシャルドネ、アメリカのシャルドネといった形で写真付きで載っているので、それぞれのイメージが具体的にしやすくなりその後の勉強に役立ちました。

オンラインワインスクールで試験対策テイスティングをする

 受講したオンラインスクールです。

ワインソムリエ二次試験対策講座 | ヴィノテラスワインスクール (vnts.shop)

 一次試験を独学で突破したので、二次試験もワインスクール等は利用しないという何の役にも立たないプライドで過去2回臨んでおりましたが、それも全て捨て去りました。(ワインスクール代をケチっていたというのもあります)オンラインワインスクールで提供される、試験対策のワインセットを6セット程購入して勉強に励みました。ワインスクールと同様にZOOMで、購入したワインセットをテイスティングしながら講義を受けられますので、実践的かつ無駄がありませんでした。お金はその分かかってしまいますが、得られるものも大きいというのが受けてみた実感です。(実際に受かることもできました)購入したワインセットと講義で基本とされる品種(シャルドネやカベルネ・ソーヴィニョン等)の香り、味わい、知識を叩き込みました。
 そうした結果、①で学んだ知識と合わせて、今までとは違った手応えというものを感じられるようになってきたのでした。

 キチンと対策されている方からすれば当たり前のことですが、その当たり前さえできていなかったのが今までの自分でした。もしテイスティングがうまくいっていないと感じる方は、1からもう一度見直してみるといいかもしれません。テイスティングを独学でされている方は、味覚という感覚の性質上、知識と感覚を一致させる講師なり書籍なりの柱を見つけることが大事になってきます。

受かった試験の考察(2022年)

2022年に出題されたお酒は以下の通りです。

  1. ニュージーランド/Sauvignon Blanc/2019 × 豪のシャルドネと回答
  2. 日本/甲州/2021 × 仏のミュスカデと回答
  3. アメリカ/ Cabernet Sauvignon /2019 × 日本のメルローと回答
  4. フランス/ Syrah/2018 〇
  5. オー・ド・ヴィー・ド・キルシュ × 

 国は違いますが初めて試験を受けた年に作られ、また、その年の試験にも出題されたソーヴィニョン・ブランと、カベルネ・ソーヴィニョンが出たことには不思議な縁を感じます。甲州も出題されており、2019年と同じ品種が3つ、奇しくも出題されました。今回全てそれらを外しましたが(笑)

 全体としては1つしか品種は当てていませんが、正解の品種に比較的似た品種を選んでいることで方向性にズレがなく得点に繋がりました。最初のソーヴィニョン・ブランは外見が2つ目の甲州よりは濃いけども、自分としては薄いとも取れるような微妙な色に感じました。樽香が少し感じられ、アルコール度数も12.5~と見当をつけて、オーストラリアのシャルドネとしました。まさかニュージーランドのソーヴィニョン・ブランとは模範解答を見るまで予想もしていませんでした。同じニューワールドのアルコールのしっかりとした白という点である程度、方向が一致しました。

 2つ目の甲州はフランスのミュスカデと最後まで悩みましたが、次のカベルネ・ソーヴィニョンを日本のメルローとした為に、日本が続いて出る可能性はないはずと穿った見方をした結果ミュスカデとしました。甲州とミュスカデはテイスティングコメントはかなり似通ったものになりますので、大きな減点はなかったと考えられます。

 3つ目のカベルネ・ソーヴィニョンは前年にチリの同品種が出題されていて、直近5年は同じ品種が出たことはなかったこともあって、また穿った見方をして日本のメルローとしました。(ソムリエ試験では2年連続同じ品種が出たことがありました)ピーマンのような青臭いピラジン香を感じ、カベルネ・ソーヴィニョン以外でフルボディの赤ワインで感じられるものを考えた結果が日本のメルローでした。オンラインのワインスクールの講義や本で勉強したことで、ここまで思い至ることができました。この3番のワインはアメリカのピノ・ノワールと答えた方も多かったようです。そう答えたくなるのもわかるワインでした。フルボディの赤ワインという点で自分はテイスティングコメントは、模範解答と同じようにある程度得点できました。

 4番目のシラーだけは当てることができました。前回の試験でシラーが出ると狙って外した経験がやっと活きました(笑)フランスのシラーの特徴的な、所謂スパイスのような香りを感じることができ、生産年も当たりました。

 オー・ド・ヴィー・ド・キルシュは2択まで残ったと思いますが、結局外しました。

 落ちた2回の試験は論外ですが、手堅く赤ワイン2つと甲州のテイスティングコメントの点数を取ることで、合格することへと繋げられました。品種を当てることに囚われ過ぎず、目の前のワインがどのようなワインであるか、理論立てて選ぶことが大切になってきます。テイスティングコメントの方向性が合っていれば、品種が1つしか合っていなくても受かります。最後まで諦めずに臨んでください。

受験される皆さんに幸あれ。

タイトルとURLをコピーしました